気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

井上ひさし

珍訳聖書 - 井上ひさし

自炊してiPhoneで再読。 花の浅草ドッグ座の犬芝居、人気ストリッパーのマリアが狂犬病を発症、弟の刑事犬・犬塚と医師犬・犬丸が感染経路を探るべく捜査を開始した...がしかし... 意外などんでん返しの繰り返しで読者を翻弄するエロと笑いのナンセンス戯曲…

手鎖心中 - 井上ひさし

手鎖心中を再読しました。井上ひさしの直木賞受賞作です。とにかく人を笑わせたい、笑われたいと切に願う材木問屋の一人息子栄次郎が、戯作者を目指し奮闘する姿を描いた悲喜劇。とてもテンポの良い文体と洒落っ気たっぷりのストーリーがとても楽しい作品で…

私家版 日本語文法 - 井上ひさし

学生時代に退屈な授業といったた「文法」がその代表格だと思いますが、井上ひさしの『私家版 日本語文法』は、その退屈な日本語の文法を、実に楽しく学ぶことのできるユーモアあふれる本です。井上ひさしの日本語に対する愛情が伝わってきます。僕が特に面白…

新釈 遠野物語 - 井上ひさし

柳田国男の名著『遠野物語』の世界に挑戦する、井上ひさしの現代の怪異譚9話。ということですが、僕は『遠野物語』を読んだことがないので、比較することはできません。でもとても面白かったです。遠野の近くに住む国立療養所でアルバイトをしている青年が、…

国語元年 - 井上ひさし

1985年にNHKで放映されたドラマのために書かれた戯曲。セリフとト書きで構成されているため、物語の中に入ってゆけるかなと心配したが、杞憂でした。実に楽しく一気に読んでしまいました。明治七年、文部官僚・南郷清之輔は「全国統一話言葉」の制定を命…

東京セブンローズ - 井上ひさし

日本語をこよなく愛する井上ひさしの傑作です。戦後、アメリカ占領軍は、日本語のローマ字化を画策します。この危機に、日本の7人の女性(高級娼婦)たちが立ち向かうという痛快なお話。昭和20年当時の日本(おもに東京とその近郊)に様子や当時の人々の…