気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

高橋克彦

風の陣 天命篇 - 高橋克彦

風の陣の3巻目。道鏡が政治の実権を握ってから、道鏡が皇位に就こうとし失敗した道鏡事件までを描いています。権力の座に就く人が誰に変わっても、腐敗してゆくのは、今も昔も変わらないってことを改めて思い起こさせてくれる作品です。「風の陣」は、蝦夷た…

風の陣[大望篇] - 高橋克彦

高橋克彦著 『風の陣ー立志篇』に続く第2弾、「大望編」は、藤原仲麻呂改め恵美押勝が権勢をにぎってから、"恵美押勝の乱" で果てるまでの時代を描いています。史実では、この恵美押勝打倒のために、主人公の牡鹿嶋足、物部天鈴らがどれくらい関わったのかは…

風の陣 [立志編] - 高橋克彦

高橋克彦ワールド全開です。面白いです。熱いです。ワクワク感がたまらないですね。『風の陣』は、朝廷と東北の蝦夷の戦いを描いた『火怨』の30年ほど前の話です。時代は奈良時代。朝廷は大仏建立で大仏にふく黄金を欲しています。そんな折、東北の陸奥で…

竜の柩(6) 交霊英国編 - 高橋克彦

「竜の柩」最終巻。少し前に読んだ宮部みゆきの「あかんべえ」が「お化けさん」が出てくるお話で、偶然にもこの「竜の柩(6)」も幽霊が題材。パラレルワールドに迷い込んだ主人公たちが、元の世界に戻るために、霊媒師の力を借りに英国に向かいます。なぜ…

竜の柩(5) 心霊日本編 - 高橋克彦

4巻で完結したと思っていた「竜の柩」ですが、続編が出ていたんですね。残念だったのは、時間が経ってしまったため、1巻から4巻までの内容をあまり覚えていないということ。これから読む人は、必ず1巻から時間をおかずに読まれることをお勧めします。第…

火怨〈下〉―北の燿星アテルイ - 高橋克彦

本当に力強い作品です。下巻になってもその力強さは失われていません。蝦夷のたちの熱き想いがひしひしと伝わってきます。いったい彼らにどんな最後が待ち受けているのか想像しながら読み進めましたが、予想しなかった展開に驚き感動するとともに、ラストシ…

火怨〈上〉―北の燿星アテルイ - 高橋克彦

大和朝廷と蝦夷との戦いを蝦夷側から描く歴史小説です。心躍る小説とはまさしく、この火怨のような小説を言うのだと思います。とにかく、アテルイをはじめとする蝦夷たちの若者が生き生きと描かれ、ぐいぐいと引き付けられてしまいました。ちょっと三国志に…

総門谷 - 高橋克彦

この小説は、「総門谷R(阿黒篇)」「総門谷R(鵺編)」「総門谷R(小町妖怪編)」と続いていくのですが、僕としてはシリーズ最初のこの「総門谷」が一番面白いと思います。分類としてはSF伝記小説に分類されるのでしょうが、「そんなの有り得ないだろう」と…

写楽殺人事件 - 高橋克彦

江戸川乱歩賞を受賞した高橋克彦氏のデビュー作(たぶん)です。浮世絵師写楽がいったい誰だったのかという謎と、現代で起こった殺人事件とを絡ませたミステリー小説です。僕は、この本を読むまで写楽のことについてほとんど知らなかったのですが、本当に謎…

星封陣 - 高橋克彦

巻末の解説に『一見信じ難いが、真実は実際このとおりであったのかもしれない、と思わせるだけのパワーと作者の思い入れがある』と書かれているが、まさにその通りです。作者のパワーと思い入れでググッと高橋ワールドへ引き込まれてしまいます。曽我氏と物…

竜の柩(1)-(4) - 高橋克彦

もし、SFファンでこの小説を読んでいない方は、是非読んでみてください。伝奇小説とSFの融合作品といった感のある作品で、とてもスケールの大きい面白い内容です。「古代の神々は宇宙から来た」という仮説を、世界各地に存在している伝承や史実をうまく組…