人質カノン - 宮部みゆき
長編もいいけど、短編も良いですね。まさに「山椒は小粒でぴりりと辛い」といった7つの作品が収められています。その中で一番好きなのは、「八月の雪」かな。片足の不自由な引きこもりの充少年が、おじいちゃんの過去を調べてゆくことで、生きる意味、生きる価値を見出してゆくというストーリー。充少年と、祖父の友達である柴田老人との会話がとても好きです。そして、「ああ、これで充少年も前を向いて生きてゆけるんだな」と思わせるラストシーンも印象的です。
もうひとつ印象的なのが「生者の特権」。これもとても良いですね。宮部みゆきの暖かさをしみじみと感じることの出来る作品です。
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2001/09
- メディア: 文庫
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