気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

写楽殺人事件 - 高橋克彦

江戸川乱歩賞を受賞した高橋克彦氏のデビュー作(たぶん)です。浮世絵師写楽がいったい誰だったのかという謎と、現代で起こった殺人事件とを絡ませたミステリー小説です。
僕は、この本を読むまで写楽のことについてほとんど知らなかったのですが、本当に謎だらけの人物だったのですね。たった10ヶ月という活動期間で名を残し、しかもその後の消息が分からないなんて、ほんとミステリーですね。
それにしても、作者の写楽に対する思い入れというものを感じる作品で、まるで写楽専門家が書いた論文を読んでいるようなそんな気分(といっても、内容がめちゃくちゃ面白いので飽きることはありません)になります。
「知ることの楽しさ」を味わうことができる作品でもあります。

写楽殺人事件 (講談社文庫)

写楽殺人事件 (講談社文庫)