気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

粗にして野だが卑ではない

78才という高齢ながら財界人として初めて国鉄総裁の職に付いた石田禮助氏の生涯を描いた城山三郎の小説。
「ずいぶんと多勢の人に仕えたが、あんな気持ちのいい人はいない。毎朝、石田さんに会うのが楽しみだった。生涯、あの人ほどの人物に会うことはないだろう」と部下に言わせる人物なんて、そうはいないでしょう。こんな人の下で働けたら幸せでしょうね。世の中にはすごい人がいるものです。私心がなく明治人らしい骨のある堂々たる人生、あこがれてしまいます。
どうして同じ人間なのにこうも自分と違うのかとちょっと自己嫌悪にもなりますが、彼のような人生に一歩でも近づけるように頑張らねば、なんて思ってしまいます。

粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯 (文春文庫)

粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯 (文春文庫)