粗にして野だが卑ではない
78才という高齢ながら財界人として初めて国鉄総裁の職に付いた石田禮助氏の生涯を描いた城山三郎の小説。
「ずいぶんと多勢の人に仕えたが、あんな気持ちのいい人はいない。毎朝、石田さんに会うのが楽しみだった。生涯、あの人ほどの人物に会うことはないだろう」と部下に言わせる人物なんて、そうはいないでしょう。こんな人の下で働けたら幸せでしょうね。世の中にはすごい人がいるものです。私心がなく明治人らしい骨のある堂々たる人生、あこがれてしまいます。
どうして同じ人間なのにこうも自分と違うのかとちょっと自己嫌悪にもなりますが、彼のような人生に一歩でも近づけるように頑張らねば、なんて思ってしまいます。
- 作者: 城山三郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1992/06/10
- メディア: 文庫
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