気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

ぼんくら(下) - 宮部みゆき

ぼんくらの下巻は、事件の謎が少しずつ少しずつ解き明かされていくのですが、読み出したら止まりませんでした。江戸人情物としても、ミステリーとしても楽しく読めました。
個性豊かな登場人物たちも、とても生き生きと描かれており、さすが宮部みゆきという感じです。
ただ、宮部みゆきは何を語りたかったのだろうか。という点そこがちょっと引っかかります。謎解きも楽しいですが、総右衛門、おふじ、葵の3名の心のありようをもっと深く描くことにページを割いてほしかったなー、というのが僕の感想です。
ただ、そうすると、あまりにも物語が重くなりすぎて、明と暗の程よいバランス感が崩れてしまうかな。

ぼんくら(下) (講談社文庫)

ぼんくら(下) (講談社文庫)