気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

ブレイブ・ストーリー (上) - 宮部みゆき

宮部みゆき」の書いたファンタジー小説、今アニメ映画で公開されているという程度の事前知識だけだったので、『ドリームバスター』や、『ICO -霧の城-』のような話しなのかな、と思って読み始めましたが、上巻は、現実世界の話が3/4を占めていていました。
主人公は、小学5年生の亘少年(少年を主人公にするのは、宮部みゆきの得意とする所ですが、僕の知る限り最も年少の主人公でしょうか)。その彼が、両親の離婚という過酷な現実に立ち向かわなければならない心理描写は、宮部みゆきらしさが出ています。
ただ、主な読者のターゲットが主人公と同じ小学生だとすると、ちょっと重すぎる題材かなという気がします。
逆に大人をターゲットとしているのならば、「幻界(ビジョン)」への冒険に旅立つまでの過程を克明に描くことで、主人公に感情移入できるので、これが成功しているといえるかもしれません。
ただ、読んでいると、ほんとに小学5年生の考えること? と思えるような場面もあり、そこがちょっと気になりました。
とはいえ、中巻以降の「幻界(ビジョン)」での冒険が楽しみです。

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)