暁のひかり - 藤沢周平
江戸の市井の人々の哀しい切ない話を収めた短編集。
いちばん心に残ったのは、表題作の「暁のひかり」。
一生懸命に歩く訓練をしている足の悪い少女に出会ったことで、少しづつ堅気な気持ちになってゆく博徒の市蔵。しかし、その少女をからかっている悪党を懲らしめたことがきっかけで、哀しい結末が。
どうして、想いは通じないのか?
どうして、心にかけてくれる人がいるのに、堕ちてゆくのか?
どうして、幸せになろうと努力している人が幸せになれないのか?
読み終えると気が滅入ってしまう作品が多いですが、妙に心に残ります。
唯一「しぶとい連中」は、どことなく滑稽で、思わず笑いが出てしまいます。この中では異色の作品でした。
- 作者: 藤沢周平
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/02
- メディア: 文庫
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