気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

竜の柩(6) 交霊英国編 - 高橋克彦

「竜の柩」最終巻。
少し前に読んだ宮部みゆきの「あかんべえ」が「お化けさん」が出てくるお話で、偶然にもこの「竜の柩(6)」も幽霊が題材。
パラレルワールドに迷い込んだ主人公たちが、元の世界に戻るために、霊媒師の力を借りに英国に向かいます。
なぜ、パラレルワールドと霊媒師なのかは、本を読んでいただくとして、伝説や昔の事件を元に組み立てられた仮説を、説得力を持って読者に納得させてしまうのは、さすが。そして、最後の息をつかせぬ緊迫感あふれるクライマックスは圧巻です。
本書のテーマのひとつであるタイムパラドックス問題ですが、これは真剣に取り組めば取り組むほど難しい問題だと思いますが、それに真正面から取り組んでいるのも評価できます。
ただ、竜の柩(1)〜(4)と比べると、見劣りがするかな。まあ、前作が凄すぎたからなのですが。

竜の柩(6) (講談社文庫)

竜の柩(6) (講談社文庫)