気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

ZOO(2) - 乙一

ZOO1に引き続き、ZOO2を読みました。6つの短編が収められていますが、ZOO1にはなかったドタバタ風の作品「血液を探せ!」が一番の僕のお気に入でしょうか。目覚めたら何者かに刺されて血まみれになったいた資産家とその相続人たちとのやり取りは、昔愛読していた筒井康隆の作品を彷彿とさせる作品で、読みながらニヤニヤしてしまいました。
また、ハイジャックされた機内で、安楽死の薬を売ろうとする男と隣の女性客のやり取りを描いた「落ちる飛行機の中で」、生物を意のままにできる声をもつ少年の悲劇を描いた「神の言葉」もよかったです。
ジャンル分け不能の傑作短編集と銘打ってあるとおり、さまざまなジャンルの短編が収められていて、楽しめました。
ただ、グロテスクな話が嫌いな方にはお勧めしません。

ZOO 2 (集英社文庫)

ZOO 2 (集英社文庫)