気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

Itと呼ばれた子―少年期ロストボーイ

『ITと呼ばれた子 幼年期』の続編。母親からの虐待から逃れ、里子として暮らした12歳から18歳までの多感な時期の出来事が描かれています。
あれほどまでにむごい仕打ちを受けながらも、母親の愛を欲してしまうデイビット少年のことを思うと胸が張り裂けそうになります。
この本を読んで、愛されて育つことがどれほど子供にとって大切な事なのかをあらためて思い知らされました。愛情をそそいであげることで、「自分が価値のある存在」であることを子供は知ることができるし、道を踏みはずそうになっても、それを再び正しい方向に向けてあげられるんだなと、そんなふうに思います。
ただ、「愛情」は必要条件であって、十分条件ではありません。困難を乗り越えるには、子供たち自身の強い意志が大切なんだということも、この本は教えてくれます。

“It”と呼ばれた子 少年期 ロストボーイ (ヴィレッジブックス N ヘ 1-2)

“It”と呼ばれた子 少年期 ロストボーイ (ヴィレッジブックス N ヘ 1-2)