気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

虹の天象儀 - 瀬名秀明

とても、情緒的でノスタルジーを感じるSFファンタジー作品です。『パラサイトイブ』『BRAIN VALLEY』を書いた作家とは思えないほど、その作風が異なっていました。

「BOOK」データベースより

まるで宇宙船のようにも見える、不思議な形をした星の投影機。44年間の使命を終え閉館した東京・渋谷の五島プラネタリウムに、不思議な少年がやって来た。「おじさん、プラネタリウムはどんな時代の星でもつくれるんでしょう?昔に吸い込まれそうになったことはない?」―一つの思いが心に刻まれ、昭和20年前後の時代にタイムスリップする感動の物語。

ふたご座流星群を見たすぐ後に読んだので、プラネタリウムで満天の星空を観るのもいいなー、なんて思いました。
残念なのは、僕が昭和初期に活躍した織田作之助という作家をほとんど知らなかったこと。彼がこの物語の重要な位置を占めるのですが、織田作之助を知らない僕は、作者の想いが十分には伝わって来なかったかな。
まあ、400円という値段としては、十分なコストパフォーマンスがあると思います。

虹の天象儀 (祥伝社文庫)

虹の天象儀 (祥伝社文庫)