気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

家族八景 - 筒井康隆

『七瀬ふたたび』 『エディプスの恋人』と続く七瀬シリーズ三部作の1作目。
生まれながらに人の心を読むことができる能力を持ち、それゆえに一目に付かず、ひっそりと生きたいと願っている彼女が、「お手伝いさん」として入った8つの家族の悲喜劇を描いています。
人のこころの裏側にある猥雑さ、狡猾さ、醜さ、そして家族の絆の脆さをを浮き彫りにしてゆきます。
やはり、筒井康隆という作家は只者ではない。そう思わずにはいられないそんな作品です。若い頃一度読んだ作品ですが、再度読み直しその想いを新たにしました。
本当におかしくも恐ろしい作品です。
『七瀬ふたたび』 『エディプスの恋人』も再度読み直してみようと思います。

家族八景 (新潮文庫)

家族八景 (新潮文庫)