気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

キッチン - 吉本ばなな

泉鏡花文学賞を受賞した「キッチン」とその続編「満月―キッチン2」、デビュー前の作品「ムーンライト・シャドウ」の3編が収録されています。3編とも、身近な人の「死」の痛手からの再生をテーマにした物語で、悲しさから感傷にひたっていても幸せはやってこない、前を向いて一歩踏み出してみよう、そう呼びかけてくる。切なさの中にほんのりとした暖かさがある作品です。
10代後半から20代の女性に共感を持って受け入れられる作品かなと思う。
ただ、ここに出てくる男性達はいかにも女性が描いた、という感じがするのは、僕だけか?
まあ、男性作家が描く女性像というのも似たようなものだと思うが...

キッチン (新潮文庫)

キッチン (新潮文庫)