気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

笑うな - 筒井康隆

筒井康隆のショートショート集。240ページの中に34編の作品が詰め込んであります。
久しぶりに読み返してみました。シニカルな作品、ブラックユーモアな作品、ナンセンスで馬鹿馬鹿しい作品、ちょっとノスタルジックな雰囲気の作品など様々なジャンルのショートショートが一冊で楽しめます。
オチをどう解釈したらよいのかわからない作品もありましたが、34編のほとんどが面白かったです。
筒井康隆の作品で不思議なのは、いったい何が面白いのかわからないのに、笑いのツボにはまってしまうことがあることです。この本の表題作「笑うな」もその一つです。タイムマシンを発明した友とオレの意味のない会話がめちゃくちゃ可笑しかったです。
また『私の小説作法』という文章を注文された作家の悩みを描いた「猫と真珠湾」、飼い犬の意識がいきなり読めるようになった男の悲劇「ブルドッグ」、男が妊娠するという「産気」も可笑しかったです。

笑うな (新潮文庫)

笑うな (新潮文庫)