気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

夏の椿 - 北重人

BOOKデータベースより

天明六年。江戸が大雨に襲われた日、甥の定次郎を何者かに斬殺された旗本の三男坊である立原周乃介は、その原因を調べるうちに、定次郎が米問屋柏木屋のことを探っていたことを知る。柏木屋の主人、仁三郎には暗い陰が見え隠れしているようだ。核心に迫りだした周乃介の周りで不審な事件が起きはじめた。

この本は最初の数十ページは、なかなか物語の中に入っていけませんでした。
文体のリズムが合わないっていうのでしょうか。でも、それを過ぎると全く気にならなくなりました。
で、読み終わった感想ですが、「とても読み応えのある素晴らしい作品」です。
ミステリー風味の時代小説で、江戸時代の人物や町の情景や、みな生き生きと描かれていました。
特に、周乃介と犯人との対決シーンは、スピード感もあり、映像が浮かんで来て、まるで映画のようでした。
「夏の椿」という題名も好きです。
難点を言えば、難しい漢字が多すぎるという点でしょうか。

夏の椿

夏の椿