気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ

平たく言えば、ロボット本です。『人とロボットの秘密』(堀田純司著)を読んで、別のロボット研究の本を読みたいと思い、選んだのがこの本です。
第65回世界SF大会/第46回日本SF大会Nippon2007」でのシンポジウム「サイエンスとサイエンスフィクションの最前線、そして未来へ!」の講演内容が収録されているのですが、この本の特徴は、そのアンサーソングとしてSF作家の書き下ろし短編小説が5編収録されている点です。

講演があったのは、2007年9月なので、もう1年半も前の内容ですが、第一線で研究を続けるロボット、人工知能、脳科学の研究者たちの話は、ものすごく面白い内容で、素人の僕でもそれほど苦労無く読める内容でした。
特に興味深かったのは、大阪大学の前田教授のウェアラブルインターフェースの話と、東京大学の國吉教授の胎児や新生児をモデルとしたシミュレーションの話でした。このシミュレーションはカオス理論が応用されているようですが、いったいなぜそのような動きになるのか、どんなプログラムを組んでいるのかとても興味を持ちました。
また、はこだて未来大学の松原教授の「目標さえたてれば(人はそれを)達成できる」という言葉が印象的でした。

一方、そのアンサーソングとして提示された短編SFですが、山田正紀『火星のコッペリア』、堀晃『笑う闇』が面白かったのですが、他の作品はちょっと難解すぎたかなという印象です。

サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ

サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ