気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

彼の生き方 - 遠藤周作

子供のころから吃音で悩む気の弱い主人公の福本一平が、唯一心を開くことができたのが動物でした。そんな彼が大人になり、野性の日本猿の研究者となります。
しかし、彼の行く手には、「権力」が立ちふさがり、彼の生き方そのものを否定しようとします。そんな中で、孤独に耐え奮闘するひたむきな姿が、僕の心をとらえました。
吃音で苦しむ主人公の心の動きが、痛いほどこちらに伝わってきました。
この本もそうですが、遠藤周作の描く弱者にはとても共感を覚えます。

彼の生きかた (新潮文庫)

彼の生きかた (新潮文庫)