気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

孤宿の人(下) - 宮部みゆき

もうちょっと短い話にしても良いかなと思いますが、それも帳消しにする終盤の展開は、さすが宮部みゆきです。
小さな主人公「ほう」に感情移入し、最後は感動の涙でした。
妻子三人と部下二人を殺した加賀様の人物設定も見事。「ほう」と加賀様の二人のシーンは特に心に残りました。

そして、この物語で重要なキーワードとなる「雷」の描写も素晴らしいですね。僕は雷多発県に住んでいてその怖さを身にしみて感じていますが、瞼の裏にリアルな映像として浮かんできます。

孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)

孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)