気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

霊長類 南へ - 筒井康隆

再読。全面核戦争で人類が滅亡する話で、パニック状態に陥った人間達の愚かさ醜さ残酷さを扱った筒井流喜劇。
40年以上前に書かれた作品だけれど、まったく古さは感じない。ここに描かれている話は、核戦争で人類が滅亡する話であるにも関わらず、実にばかばかしく滑稽だけど、尋常ではない表現は、さすが筒井康隆とその凄さを感じる作品です。これは、筒井作品の中では初期の作品ですが、もし、いちばん脂がのっている時期に書いたとしたら、もっとすごい事になっていたんじゃないかな。

今だと絶対に書けないと思われる表現などもあり、それが余計に刺激的。最後に生き残ったのがゴ〇〇〇というのも...
絶版になっているのは残念ですね。

霊長類 南へ (角川文庫)

霊長類 南へ (角川文庫)