気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

エイジ - 重松清

連続通り魔事件の犯人が同じクラスのおとなしい男子生徒だった。そんなことが起こったら...
いじめや、部活、先輩後輩の関係、勉強、塾、淡い恋心など、多くの中学生が経験するであろう話題を入れつつ、大人ではない、でも子供なんかじゃない、そんな宙ぶらりんな年頃の主人公「エイジ」の悩み・不安・揺れ動く心の内をうまく描いていると思います。自分が中学生だったころを思い出しながら読みました。
「今時の若者は」と一括りにすることがいかに無意味なのか、彼は彼であり、他の同級生とは別人であり、考えていることも感じていることも違うんだという当たり前のことを思い出させてくれました。
それにしても、犯罪を犯した少年は、どう罪を償うのか、彼の人権は? 周りはどう彼と向き合うべきなのか、これは難しい問題だなー。

エイジ (朝日文庫)

エイジ (朝日文庫)