気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

始祖鳥記 - 飯嶋 和一

幕府の悪政に庶民が苦しんだ江戸時代天明期。主人公備前屋幸吉は、ただただ純粋に空を飛んでみたいそう思い、試行錯誤でその夢を追いかけます。その行動が悪政批判と受け取られ、役人に捕まるところまでが、第一部。
第一部を読み終わり、なんとなく腑に落ちないまま第二部に移り、どういった展開になるのかが読めませんでしたが、読み進めるうちに「なるほど、そう繋がるのか!」と納得したしだい。第二部の塩問屋の話は熱い物語でしたね。何度も涙が出そうになりました。
そして第三部、再び備前屋幸吉の物語へ。ラストシーンは、人生を賭けてやり遂げた男の清々しさが胸を打ちました。
最初はちょと固めの文章が気になりましたが、途中からは物語の中に入り込むことが出来ました。

始祖鳥記 (小学館文庫)

始祖鳥記 (小学館文庫)