気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

猫鳴り - 沼田まほかる

沼田まほかるさんの作品を初めて読みました。
第1部、流産してしまった妻と夫のもとに迷い込んできた猫を何度も捨てにいく話で、なんか重苦しい雰囲気だなー。
第2部、孤独な少年の心の闇を描いていて、かなり気が滅入ってしまう。
第3部、あー、ここまで読んでよかった〜(^^。
という構成の本。
第3部は老人と老猫との関わりがなんとも言えない静かな感動を呼びました。苦しくて哀しくて切ないけれど、どこかに安らぎがあるそんな終わり方で、自分が老いた時のことを考えずにはいられません。
誰にでも訪れる死を描くために、そしてこの第3部を成り立たせるには、第1部、第2部が必要だったということなのかな。

猫鳴り (双葉文庫)

猫鳴り (双葉文庫)