気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

最後の診断 - アーサー・ヘイリー

若い頃読んだ本を自炊してiPhoneで再読。

1950年代のアメリカの病院を舞台に繰り広げられる社会派ドラマは、実に読み応えがありました。病院の改革を推進する外科医と保守的な老病理医との対立を中心に、恋愛なども織り交ぜて様々なエピソードが盛り込まれています。

最初は、登場人物の多さに名前が覚えられなくて戸惑いましたが、途中からぐいぐいと物語の中に引き込まれました。医療についての知識のない僕でも楽しめました。病院改革の障害となる老病理医が単なる敵役ではなく、確かな腕を持ち、読者が感情移入したくなる人物であるのもこの小説を奥深いものにしています。

やはり良い作品というのは時代が経っても色あせない面白さがあります。今は入手困難なのが残念ですね。

最後の診断 (新潮文庫 ヘ 4-3)

最後の診断 (新潮文庫 ヘ 4-3)