気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

「自炊代行」違法判決で思う事

いわゆる「自炊代行」が、著作権侵害に当たるかどうか争われた裁判で、東野圭吾さん、浅田次郎さんら7名の作家の主張が認められましたが、自炊代行を利用していた僕としては、残念な結果となってしまいました。

既に多くの方がブログ等でこの判決についての意見を述べていますが、僕も今の自分の思いを(法律に詳しくない素人の自分勝手な意見ですが)ここに記録しておこうと思います。

 

まず思うのが、自分の持ってる本を裁断して電子化する行為は、移動であって複製じゃないんじゃないかということです。だって、コピーってのはオリジナルが残るわけですが、裁断して電子化する場合は、オリジナルは残らないのですから。自炊代行を利用した場合は確実に移動です。自分でやるときは、複製かもしれないですが...

とにかく、作家さんにとっては、なんの不利益も生じていないと思うんですよね。本の所有権もその持ち主から移動しないんですから。

それよりも、古本屋とかに売る行為の方が、よっぽど作家さんたちにとって不利益だと思うんですがね。それはOKなのに、電子化は許さないっていう作家さんの主張ががさっぱりわかりません。

それと、電子化を自分で行うのはOKで、業者にお願いするのは駄目っていうのも、よくわかりません。2つは結果は同じなのに、その行為が異なるだけで、片方が許されて、もう片方は許されないというのもなんとなく納得できないものがあります。悪法も法なりということで、法律にそう書いてあるから仕方ないんでしょうね。

 

法律ってそもそも国民の権利を守るためにあると思うのですが、この判決はいったい誰を守るものなのかっていう疑問もわいてきます。作家さんを守ることに繋がるのかな。

この判決が出て思ったのは、「これからはできるだけ図書館で本を借りることにしよう」ということです。本の置き場に困っている僕としては、新たに本を購入するには、今ある本を処分しないといけないわけですが、自分でスキャンするのは、時間的にも無理ですし、そのために、スキャナと裁断機を買う気もありません。スキャナと裁断機を置くスペースとお金があるのならば、本を買います。

電子化せずに、棄ててしまう(あるいは売ってしまう)ということも選択肢の一つで、既に多くの本を手放しましたが、今残っている本は手放さずに手元に残った本なので、処分するというのはやはり難しいです。

となると、たどり着く結論は、紙の本は増やさない、ということになってしまいます。

2年ほど前からは、電子書籍を購入して読むことも多くなり、以前よりは本棚に本が増えてゆくペースは落ちましたが、欲しい本が常に電子書籍で手に入るとは限りませんので、今後は、「電子書籍で手に入らない本は図書館で借りる」が基本になると思います。

 

なお、今後、東野圭吾さん、浅田次郎さんら7名の作家さんの本を購入することは無いと思います。もし、読みたい本が出てきてもその時は、図書館で借りることにします。

僕みたいに考える人がどれくらいいるのかわかりませんが(ネットで見るとそれなりに居そうです)、少なくとも、僕が出した結論は作家さんの利益に繋がらないですね。

ちなみに、ここによると、

また、裁判長は「東京都内の2つの業者に対し、訴えを起こした7人の作品について電子化の代行作業を禁止する判決を言い渡した」そうですので、「7人の著作をデータ化するのはやめなさい」と言っているだけで、自炊代行業務自体を違法とは判断していません。

ということらしいです。なので、僕の場合は、今後も自炊代行を利用する可能性が高いです。

ちなみに7名とは、 浅田次郎さん、東野圭吾さん、大沢在昌さん、林真理子さん、永井豪さん、弘兼憲史さん、武論尊さん。