気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

虐殺器官 - 伊藤計劃

評価の高いSF小説ということで読んでみました。
が、文章のリズム感が自分には合わないのか読むのに苦労しました。扱っている話題が大量殺戮であり、罪の意識で苦しむ主人公のアメリカ情報軍のクラヴィス・シェパード大尉の内なる声が文章の多くを占めているせいかもしれません。
陰鬱な雰囲気がよけいにそう感じさせるのだと思います。

それでも物語の後半部分は読み応えがありました。特に“虐殺の器官”の意味が分かった時は衝撃をうけました。虐殺の文法を操るジョンポールが主人公クラヴィスとかわす会話が、この小説の一番の読みどころでしょうか。

なお、この小説にはSF的な斬新なアイテムがいろいろ出てきますが、そういったものに興味がある人には、別の楽しみたかがあると思います。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)