気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

村田エフェンディ滞土録 - 梨木香歩

今から約100年前、考古学研究のためにトルコに留学した村田青年の下宿先での様々な出来事が不思議な雰囲気で描かれれている小説。

風習、文化、宗教の違いを超えて、トルコ人、ギリシャ人、ドイツ人、イギリス人などとの交流が、静かに淡々と語られていきます。そのため、読んでいて、途中ちょっと集中力が途切れてしまったところも有りましたが、終盤の話の展開にはぐっと引きつけられました。『家守綺譚』の高堂・綿貫もすこしだけ登場のも嬉しい。

そして、最後の短い3行で、完全にやられました。これまでの様々なエピソードが走馬灯のように頭を駆け巡り、不思議な余韻を残してくれました。今もその余韻に浸ってます。

 

村田エフェンディ滞土録

村田エフェンディ滞土録