離陸 - 絲山秋子
国交省の若手キャリアの主人公が失踪したかつての恋人を探し求めるミステリー？ 絲山さんとしては珍しいな、と思って読んでいたら、ちょっとちがいましたね。ミステリーを期待して購入したとしたら、ちょっと期待はずれとなってしまうかもしれません。でもそもそも絲山さんがそんな小説を書く訳もない。謎は謎のままで終わってしまいましたが、主題は別のところにあるから、それはそれで良いのかな。
人生で誰もが経験する人との永遠の別れ、幸福、不幸、幸福、不幸、幸福という繰り返しが人生であり、そして最後は自分も死へと向かって生きて行く。主人公が経験する様々な出会いと別れを通じて、生きることについて見つめなおすことが出来るそんな作品だと思います。
