ペテロの葬列 - 宮部みゆき
約1年ぶりに読む宮部みゆきの作品。
「名もなき毒」を飛ばしてこの本を読みました。読んでよかった。ぐいぐいと物語の中に引き込まれました。
マルチ商法、詐欺商法を題材にしたこの作品は、普通の人々にも「悪は伝搬していく」という重いテーマを丁寧に丁寧に描いていて、宮部みゆきらしさが実に良く出ている作品という感じがしました。かつての宮部みゆきが帰って来たと実感できるそんな内容でした。
事件が終わった後にさらにいくつもの事件を用意しているのは毎度のことですが、その内容は衝撃的でした。杉田三郎と菜穂子の微妙なすれ違いに気をもんでいたら、こんな結果になるとは...
「人生はやり直せる」という作者の想いも伝わってきました。それにしても杉村三郎の今後が気になります。続編はあるのかな?
これまで、「模倣犯」「ソロモンの偽証」は長過ぎて敬遠していましたが、読んでみようという気になりました。