気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

模倣犯 3 - 宮部みゆき

第2巻に続いて、事件を起こした側からの視点で物語が進みます。後半の和明とヒロミの絡みは、実に読み応えがありました。

「誰かに向かって手を広げ、僕がついているよ、一緒なら大丈夫だよと声をかけた瞬間に、 人間は、頼られるに足る存在になるのだ。最初から頼りがいのある人間なんていない。 … 誰だって、相手を受け止めようと決心したそのときに、そういういう人間になるのだ。」実にこころに響く言葉です。

それにしても悲しすぎる最後です。せっかく和明の必死の説得がヒロミの心を動かしたのに。それが無になるなんて...

これでやっと1巻の最後の交通事故まで話が進みました。完璧と思われた犯行も、徐々に綻びが見えかくれしてきました。これからどんな展開が待っているのか、これまで登場した人物達がどう事件に関わってくるのか、とても気になります。

 

模倣犯3 (新潮文庫)

模倣犯3 (新潮文庫)