気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

乗取り - 城山三郎

自炊してiPhoneで再読。

昭和20年代の高度成長期に実際に起こった百貨店乗っ取り事件をモデルにして創作された小説です。

旧態依然とした百貨店経営者側と株を買い占め乗っ取りを図る実業家青井との戦いを描いています。

地の利を生かしていないと憤慨し百貨店経営に執念を燃やす青井。彼の手段を選ばないやり方には共感はできませんが、それでも、彼の既成概念を打ち破ろうとするバイタリティと、敵に敢然と立ち向かう一途な姿に最後は思わず応援したくなります。

青井のキャラクター造形は、古臭いと感じますが、それを割り引いても十分に面白い作品だと思います。

 

乗取り

乗取り