気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2010-02-21から1日間の記事一覧

暗黒世界のオデッセイ - 筒井康隆

これは筒井氏のエッセイ&漫画集。表題の基となった「二〇〇一年暗黒世界のオデッセイ」は、昭和49年時点での日本の未来予想です。予想によれば、かなり悲惨な状況として描かれていますが、2010年の今もそれほどひどい状況にはなっていなくて、予想が外…

沈黙 - 遠藤周作

非常に重い作品です。キリシタン弾圧に対し、沈黙し続ける神。なぜ神はこのような事態を放っておくのか、なぜ彼らは死んでいかなければならないのか。神はいるのか。この問に答えるのは無宗教の僕には難しい問題です。未来の見えない状況でいったい作者はど…

いっしん虎鉄 - 山本 兼一

長曽禰興里(ながそねおきさと)という江戸時代に活躍した刀鍛冶の名工の半生記です。常に向上心を失わず徹底的なこだわりをもち、命がけで刀作りに打ち込む姿に心打たれます。とにかくここで描かれている職人気質は素晴らしい。日本人にはこういった血が流…