気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

ワカタケル大王(上)(下) - 黒岩重吾

舞台は、日本の5世紀。多くの反対勢力を滅ぼし、権力闘争の末ついには大王となったワカタケル王(雄略天皇)の生涯を描いた物語です。特に、後半のこの豪族葛城との戦いは圧巻です。
この本を読んで驚いたのは、当時の日本と朝鮮半島の国々(百済、伽耶)との関係が非常に強く、日本が中央集権国家を築くにあたり百済の人々がさまざまな形でこれに関係していたことです。
このワカタケル大王は物語ではありますが、日本という国がどのようにして出来上がっていったのかの一端を知ることができます。それとこの本の解説にも書いてありましたが、いったい天皇とは何なのかを、ちょっと考えさせられます。日本の古代史に興味がある方は読んでみてはいかがでしょうか。

ワカタケル大王〈上〉 (文春文庫)

ワカタケル大王〈上〉 (文春文庫)


ワカタケル大王〈下〉 (文春文庫)

ワカタケル大王〈下〉 (文春文庫)