気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

もう、きみには頼まない―石坂泰三の世界

第一生命、東芝社長を歴任、高度成長期に長年、経団連会長を務め、"日本の陰の総理""財界総理"と謳われた、気骨ある財界人の生涯を描いた長篇小説。
現役の大蔵大臣や総理大臣に「もうきみには頼まない」と啖呵を切れる気骨のある人物の生き方に触れるのは本当に気持ちの良いものですね。ただ、山あり、谷ありのハラハラドキドキの人生ではないので、彼の人生を「物語」として描くのは難しいのだと思いますが、そこは城山三郎の才能なのでしょう、石坂氏の魅力を存分に描いているので、楽しいというと語弊がありますが、、一気に読んでしまいました。
「疎にして野だが卑ではない」の石田禮助氏といい、昭和高度成長期に活躍した人物にはものすごいエネルギーを感じますね。

もう、きみには頼まない―石坂泰三の世界 (文春文庫)

もう、きみには頼まない―石坂泰三の世界 (文春文庫)