気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

すぐそばの彼方 - 白石一文

代議士である父親の秘書を務める主人公の柴田龍彦は、心に傷を持ち、そのダメージからなかなか立ち直れないでいます。しかし、ある父親の政権抗争に巻き込まれることで、徐々に自分を取り戻して行くのですが、人生最大の選択を迫られることになります...
主人公があまりにも、女性にもてすぎなのでは? 政治の世界の話の比重が高すぎるのでは? 彼のようなエリートがなぜあのような不祥事を起こしたのか? と疑問もいくつかありますが、なかなか引き付けられるお話だと思います。また、彼の過去が徐々に明かされてゆく話の展開もGoodだと思います。
「すぐそばの彼方」このタイトルに引かれて読み始めましたが、今、読み終わり、このタイトルに込められた意味とその深さをしみじみと感じているところです。
ところで、この本、文庫本の魅力の一つである巻末の解説がありません。ちょっと残念です。

すぐそばの彼方 (角川文庫)

すぐそばの彼方 (角川文庫)