気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

ジェットエンジンに取り憑かれた男〈下〉

戦後のジェットエンジンの開発の歴史が克明に描かれています。人間ドラマとしてみると、この作品は物足りなさを感じますが、それでも、ジェットエンジンに取り憑かれた男たちの熱い思いというものが伝わってきます。特に、開発の中心人物の一人である永野氏に言葉は、印象に残ります。いくつかを抜粋して以下に示します。
「新しい技術は常に現場からでるものなんだ」
「ぼくはテクノロジーに力を入れる。ほかのことは欲の深い人がやればいい」
「技術者は技術自体の持つ論理性だけでなく、文明の担い手としての正負の効果についての見識を持たねばならない」
揺らぎない信念というものが技術者にも重要なんだと改めて思い知らされました。

ジェットエンジンに取り憑かれた男〈下〉世界水準V2500 (講談社プラスアルファ文庫)

ジェットエンジンに取り憑かれた男〈下〉世界水準V2500 (講談社プラスアルファ文庫)