気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

地下街の雨 - 宮部みゆき

表題作「地下街の雨」をはじめ「決して見えない」「ムクロバラ」「さよなら、キリハラさん」など七つの短篇集。宮部みゆきにしてはめずらしくホラー的な要素が強い作品もあります。
僕が好きなのは、表題作の「地下街の雨」。都会の片隅で生きている女性の心理描写がとても上手だと思います。そして最後のどんでん返しで、心が温かくなる、という宮部みゆきらしい作品です。
また、「さよなら、キリハラさん」もなかなか秀逸。途中までは、宮部みゆきらしくない作品だな、なんて思いながら読んでいたのですが、読み終わってみたら、やぱり宮部みゆきの作品だなって思い直しました。ちょと切ないラストで余韻が残ります。

地下街の雨 (集英社文庫)

地下街の雨 (集英社文庫)