かまいたち - 宮部みゆき
宮部みゆきの初期の時代物4編が納められています。
表題作「かまいたち」は、連続殺人犯(辻斬り)を目撃してしまったことから、事件に巻き込まれてしまう若い娘の心理描写が秀逸。
僕が一番気に入ったのは最も短い話である「師走の客」。最後に救いを用意してくれているあたり、宮部みゆきらしさが良く出ています。
そして、最後の2編「迷い鳩」と「騒ぐ刀」は、「霊験お初捕物控」の原型ともいうべきお話。霊能力を持ってしまったがゆえに、人の持つ悪意に触れ、それに立ち向かわなければならない少女の成長譚。
時代物というだけで敬遠してしまう人もいるようですが、宮部みゆきの時代物もとても良いですよ。
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1996/09/30
- メディア: 文庫
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