気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

ブレイブ・ストーリー (中) - 宮部みゆき

主人公のワタルは、キ・キーマ、ミーナという旅の友達を得て、現世での自分の運命を変えるために、運命の塔を目指す旅に出ます。
ゲーム好きの宮部みゆきが作り出す、幻界(ビジョン)は、いろいろなアイデアが盛り込まれていて楽しめます。
この旅を通じ、ワタルは、少しずつ成長してゆくのですが、たんなるお子様向けのファンタジーではなく、登場人物に、「愛や友情や助け合いや、笑顔や歌声を守るだけならば、...でも、この世には、憎しみも裏切りも妬みも、奪い合いも殺し合いも存在する。生きものは皆、そのどちらをも等しく生み出すものだからね。」と語らせます。主人公を(そして読者を)人が持っている影の部分に向き合わせることで、この物語を読み応えのあるものにしていると思います。
上巻の時にちらっと出てきた「半身」の意味も明かされ、最後の下巻でどういった結末が待っているのか興味は尽きません。
また、同級生のミツルが、これからどう絡んでくるのかも...

ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)