気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

暗号解読 下巻

下巻はいっきにコンピュータを使った暗号の話になるのかと思ったら、古代文字の解読の話から始まった。子供の頃(今でもだが)どうして古代文字の解読ができるのか不思議だったけど、これを読んで理解出来た。
通常の暗号解読と違って、時間的制約が無いのが唯一の違いでほとんど、古代文字解読は、暗号解読そのものなんだということが分かった。
それにしても古代文字を解読した人たちはすごい。 閃き、推理、根気、本当に気の遠くなる作業だ。

そして、コンピュータの暗号についてと続く。
特にRSAというコンピュータ技術者なら耳にしたことのある暗号方式の発明秘話は、とても興味深く読むことが出来た。

最後は、量子コンピュータによる暗号。よくわからないけど、これは絶対に破ることのできない暗号なのだそうだ。興味がある人はぜひ、この本を読んでほしい。
この量子コンピュータの暗号が実用化されれば、もう、暗号解読者の活躍することはなくなる。完全に暗号作成者の勝利なのだ。

暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)

暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)