気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

絶対音感

絶対音感とは何か、音楽家にとって必須の能力なのか?そんな疑問から、一流音楽家、科学者200人以上に証言を求め、膨大な文献を調べ、絶対音感とは何かを明らかにしたノンフィクション作品です。
この本によれば、「絶対音感とは特定の音の高さを認識し、音名というラベリングを貼ることのできる能力のこと」です。
絶対音感には程遠い僕からするとこの能力は、選ばれた才能豊かな人だけが持つと特殊な能力というふうに思ってましたが、この本を読むことで絶対音感のベールが剥がされていきました。
日本の音楽教育の歴史、その特殊事情、軍事目的による絶対音感訓練、絶対音感教育の功罪、絶対音感を持つ音楽家の悩み、脳科学からみた音感、コンピュータと音楽など様々な面から絶対音感が語られ、そして、最後は、音楽の本質に迫っていきます。

音楽の専門化でなくても読んでみる価値のある本だと思います。
僕には、後半の、脳とコンピュータにからめた部分が特に興味深かい内容でした。

絶対音感 (新潮文庫)

絶対音感 (新潮文庫)