気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

あわせ鏡に飛び込んで - 井上夢人

井上夢人「あわせ鏡に飛び込んで」は、これまで雑誌などで発表された短編を収録した文庫本オリジナルです。
それぞれの作品に作者自身のコメントが添えられているという珍しい一冊です。
全部で十篇の作品が収められていますが、どれもはずれ無し佳作ぞろいだと思います。

表題の「あわせ鏡に飛び込んで」は短さの中にミステリーが凝縮されている感じ。
悩み相談の手紙だけで構成された「書かれなかった手紙」も趣向が凝らしてあってよかったですね。
「ノックを待ちながら」は主人公の恐怖感が伝わってきます。
「ジェイとアイとJI」も賞味期限が切れた作品とは言えプログラマーの僕にはとても面白く読めました。

あわせ鏡に飛び込んで (講談社文庫)

あわせ鏡に飛び込んで (講談社文庫)