砂の城 - 遠藤周作
随分前に読んだ本の再読です。
母が遺した「美しいものと、けだかいものへの憧れだけは失わないでほしい」という言葉の意味を探し求める若い女性の青春小説です。
どうしようもない男に惚れ、身をもち崩すおろかな女性と、まじめで常識的な主人公泰子との極端ともいえる対比が、効果的に「生きる」って何だろうと考えさせてくれます。
時代が昭和ということもあり、若い人のおかれた環境も違いますが、若いからこそ、苦しみ、悩むのは、変わりはなく、現代にも通じるお話だと思います。
泰子の母と青春時代を共にした恩地の「美しいものと善いものに絶望しないでください。」という言葉が心に残ります。
- 作者: 遠藤周作
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1979/12/27
- メディア: 文庫
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