気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

暗黒世界のオデッセイ - 筒井康隆

これは筒井氏のエッセイ&漫画集。
表題の基となった「二〇〇一年暗黒世界のオデッセイ」は、昭和49年時点での日本の未来予想です。予想によれば、かなり悲惨な状況として描かれていますが、2010年の今もそれほどひどい状況にはなっていなくて、予想が外れて良かったなと。(予想なんて大抵外れるものですが)。ただ、産婦人科にかかることができないという予想は、その前提が異なっていますが、あたってましたね。
一番面白かったのは、「乱調人間大研究」ですが、これが今発売されたとしたら、かなり波紋を呼びそうな内容ですね。当時はこういった毒のある文章に寛容な時代だったんだなって思います。
いずれにしても、真剣に読むような本ではなく、かるく読み流すたぐいの本ですね。
漫画は、その評価は人それぞれだと思いますが、筒井康隆の悪乗りを楽しめる人には面白い内容だと思います。