気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

ハル - 瀬名秀明

この『ハル』は、単行本『あしたのロボット』の文庫化に伴いに改題されたものです。

ロボットと人間の新しい関係を描いた6つの物語が納められています。どれも、ロボット工学の現状を詳細に調査した上での作品であるため、半SF(そんな言葉はないけれど)といった作品かなと感じます。とは言え、ヒューマノイドが普通の人々の生活に入ってくるのは、当分ありそうにないですが...
ロボットを扱った作品ではありますが、どれもとても情緒的な作品でした。『パラサイト・イブ』『BRAIN VALLEY』とは随分と作風が違っています。
一番のお気に入りは、「亜紀への扉」かな。少女とのロマンスは「夏への扉」を彷彿とさせてくれる作品でした。
チヒロとロビタの名前にピント来る人も、そうでない人も、読む価値のある作品だと思います。

ハル (文春文庫)

ハル (文春文庫)