蒼火 - 北 重人
以前読んだ「夏の椿」もそうでしたが、殺人鬼を追い詰めて行く、後半のスピード感と緊迫感、とても良かったです。
暗い過去を引きずる主人公・周之介が、とても魅力的に描かれています。
江戸時代と現在とでは、時代背景が全く異なりますが、人を傷つけた罪の重さに苦悩する周之介の心の様は、殺人事件が後を絶たない平成の世にも通じるものであって、決して物語の中だけのものではないのだと感じます。
「夏の椿」よりも読みやすく、すーっと物語の中に入っていけましたが、ときどき出てくる登場人物が誰が誰だったか分からなくなってしまったのは、僕の記憶力が悪いせいでしょうか?
- 作者: 北重人
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/11
- メディア: 単行本
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