気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

旅のラゴス - 筒井 康隆

とにかく濃密な本です。二百数十ページの中に主人公ラゴスの人生が詰まっています。いつまでも旅を続けるラゴスにうらやましさと憧れを抱きつつ、最後のページを閉じました。
描かれている世界観も良いし、とても面白かったです。特に書物を読みあさる日々を描いた章は、知識を得ることがこんなにも楽しいことなのかと再認識しました。
読後の余韻もなかなかのものです。

若いころ一度読んでいるのですが、その時は「ふーん、全然、筒井康隆らしくない!」という感じでしたが、
僕も人生経験を少し積んだからでしょうか、この作品の面白さが分かったような気がします。

筒井作品としてはかなり異色な作品ですが、想像を掻き立てられる傑作だと思います。

旅のラゴス (新潮文庫)

旅のラゴス (新潮文庫)