旅のラゴス - 筒井 康隆
とにかく濃密な本です。二百数十ページの中に主人公ラゴスの人生が詰まっています。いつまでも旅を続けるラゴスにうらやましさと憧れを抱きつつ、最後のページを閉じました。
描かれている世界観も良いし、とても面白かったです。特に書物を読みあさる日々を描いた章は、知識を得ることがこんなにも楽しいことなのかと再認識しました。
読後の余韻もなかなかのものです。
若いころ一度読んでいるのですが、その時は「ふーん、全然、筒井康隆らしくない!」という感じでしたが、
僕も人生経験を少し積んだからでしょうか、この作品の面白さが分かったような気がします。
筒井作品としてはかなり異色な作品ですが、想像を掻き立てられる傑作だと思います。
- 作者: 筒井康隆
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1994/03/01
- メディア: 文庫
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