気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

ミーナの行進 - 小川洋子

数年前から「読みたい本リスト」にありながら、他の本を優先してなかなか読む機会がありませんでしたが、やっと読むことができました。
主人公の女の子が、従姉妹のミーナの洋館で暮らした一年間を綴った物語。数々のエピソード(コビトカバとの触れあい、図書館員の"とっくりさん"との会話、ミーナのためにマッチ箱を持ってきてくれる”フレッシー”の配達員、流星群の観察などなど)どれもが瑞々しく、女の子の気持ちが伝わってきます。
ミーナとその家族と過ごしたすてきな思いでにつまった一年間が彼女たちの未来を確かに変えたのだと思わせるラストにじんわりと感動しました。
久しぶりにこういったノスタルジーを感じる作品に出会えた気がします。

挿絵もこの物語の雰囲気にぴったりで、とてもよかったです。 文庫本には、この挿絵はあるのかなー?

ミーナの行進

ミーナの行進