気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

火星年代記 - レイ・ブラッドベリ

1950年に発表されたブラッドベリの古典SFの傑作。人類の火星移住の歴史を描いたこのSFは、とても不思議な雰囲気を持った作品でした。いくつもの小さな物語それぞれが、幻想的であり、叙情的であり、詩的であり、味わい深く引き込まれました。
人間の愚かさや、現代文明批判が、SFという仮想の物語を通じて、哀しく、シニカルに、ユーモラスに、時には残酷に描かれています。
さすがに科学小説として読むと古さを感じる部分が多々ありますが、この作品の持つ価値は、そういったものを超越している部分にあると思います。

火星年代記 (ハヤカワ文庫 NV 114)

火星年代記 (ハヤカワ文庫 NV 114)