気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

オリンピックの身代金(上) - 奥田英朗

戦後の昭和復興期に存在した大都市と農村地方の貧富の格差。東京オリンピックの開催準備で浮かれている日本人の中で、この格差に疑問を持ち始めた主人公島崎国男に自然と感情移入してしまいます。
今後彼がどんなふうに国に挑んで行く事になるのか、どんな運命を辿る事になるのか、下巻が楽しみです。
複数の時間軸で展開されるストーリーは、緊張感があり読み応え満点です。
それにしても、今まで読んだ奥田英朗の作品とは180度趣きの異なった作品で全く別の作者が書いたのかと思わせるほどでした。